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No.84
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作詞 歪み |
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時間を決めたのは自分だったのに
毎日 音を鳴らす 目覚ましが煩わしい
分かっているのに設定は変えない
だって 起きられなくなったら嫌だもの
一秒単位に連なった鎖が手首を絞めた
最初に絡んできたのは足だったのに
全身鏡に映った姿は 鎧のような塊だった
いつの間にこんなに着込んだのだろう
冬になったら 氷のように冷えるくせに
夏になったら 鉄板みたく熱するくせに
少しずつ 少しずつ 増えていって
少しずつ 少しずつ 外れていくけれど
突然 吹き飛ぶ事もある
当然 吹き飛ばす事も出来る
この重荷こそが 地に足跡をつけるための「生命」だ
血迷った 躊躇った 戸惑った
巡り巡って カマイタチが傷付け回る
その場でぐるぐる回るせいで
身の周りが血だらけ でも自分は返り血
傷付きたくない その代わりに
他が傷だらけになっている
そして誰かのカマイタチに切られている
傷付けあって 痛み分け
本当にそれが出来ていると思っているの
「わたし」にとっては 擦り傷でも
「ぼく」にとっては 深い切り傷なのに
見た目で括って 同じ箱の中
中身をちゃんと確認した?
時間はそれを同じにはしてくれない
同じになった判断は「ご自由にお取りください」
その意識が見る目を変える度 姿が変わる
結局のところ 決めるのは 持ち主だけ
「平等」なんて 外面の笑顔
でもそれがないと うまく歩けない
なんて、なんて、ほら 「かわいそうに」
絡んだ鎖が音を立てて足元に落ちていく
所々で錆び付いた 痛みを伴う滑落
その後に何を感じるのかは 分からないまま
悦楽の期待を胸に抱えて
ただ 肉体的な解放だけを
それがまるで 全てからの解放であると勘違いして
「勇気を持って」 別れの挨拶
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