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描き屋の化け狐
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作詞 Ibu |
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叢を掻き分け、月出の深夜に
人に化けた狐がこちらを見ている
手首無しのその手には
不明色の筆とパレットが
獣道はすぐ傍に
汚れた絵具は
まるで血の様に
飛び散っていたの
「君は誰?」
問いかけると少女は答えた
「君の持つ、イメージが
私を造り出したの」
景色は白黒でここは何処の細道
背景の神社が金を待ってる
その可愛げな描き屋の狐は
ニヤッと微笑み返した
叢は続く、月没まではまだ早い
化け狐は何を描くのだろう?
自由のその手で空間を
幻想を産むのだろう
その叢は彼女が
造り出した幻
拙劣な絵描きは
日の目を浴びる事を
「願ってるんだよ」
彼女はそう言い聞かせていた
「私の持つ、イメージが
皆に届けばいいなって」
着色まで行けぬここは何処の帰り道
背景の鳥居は今にも崩れそうで
化け狐らしく中心に
立てる事は無かった
狐火を貴方の生きた分だけの
點灯をあげましょう
誇張しすぎた大耳は
どんな音色を聴きながらこちらを見てたのだろう?
崩れてゆく、世界の終焉への道
彼女が描いたその景色は
一枚の絵へと変わりそして
誕生祭は終わる
彼女は何を伝えたかったのだろう?
描き屋の化け狐は祝福を描いた
未完成な変化は
彼女を彼女足らしめたの
君に描いて欲しいの
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