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夢現
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作詞 悠琉 |
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長い電車に揺られていて
そこには老若男女
色んな人らが座って乗っている
お婆ちゃんお爺ちゃんは
一駅経つと立ちあがって
止まって開いたドアから出て行く
外は真っ暗で何も見えなかったけど
憶えているのは寒さと不気味さ
次は若い男女が立って
こっちを振り返った
悔しそうな顔で僕に生きてって言った
訳がわからなかったけど
とりあえず頷いて
そしたら役目を果たしたみたいに出てった
ドアが閉まってまた動き始めた
泣きながら乗っている人
怒りを隠せていない人
名残惜しそうに窓を見つめる人
幼い赤ん坊は宙に浮いていた
どれくらい経ったろう
眠っていた気もするし
ぼーっとしていただけの気もする
ドアが開いたせいで流れ込んできた
冷気に正気を取り戻した僕は
またドアに目を向けていた
浮いていた赤ん坊は光に包まれ消えた
泣きながら怒りながら寂しそうにしながら
次々に人が降りていった
気づけば誰もいなかった
僕1人だけになって
端っこ目指して歩いてでもたどり着かなくて
それでもなんとなくずっと
ただ歩いてたら
遠くの方から終点のアナウンスが流れた
出てった人達とは反対側のドアが開き
今度の外は明るく綺麗だった
恐る恐る一歩踏み出し
外に出た時僕は意識を失った
目を開けると天井が映った
夢を見ていた
夢を見ていたのかな
あの電車の終点は死じゃなかった
死は遠い終点じゃなかったんだ
悔しそうに降りてった人たちの分まで
僕は生きる
僕は生きる
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