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夕光
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作詞 恒星永遠 |
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靄に閉ざされた
目の前の風景に
戸惑いながら
距離を縮めていた
蝶や何気ない木々も
側溝に暗闇を押し付け
何もなかったかのように
そこにたたずみ
息を殺し
時が過ぎるのを待っていた
空は見えるのに
霞は消えない
幽霊を見たかのように
前を見据え
視線をずらそうか
無かったことにしようか
ずっと頭のなかでぐるぐると
引き出しを
全開にして考えた
とてもとても
長い時を過ごしたみたい
消えかかった霧に
そこにずっと
待っていてくれたものを
つかもうと手を伸ばした
触れた瞬間
指先が幸せと
暖かさにおおわれた
空は夕焼けに満ち
視界も晴れ渡った
蝶や何気ない木々が
さっきまでの
憂鬱や暗やみを
思い出してはいけないんだと
教えてくれた
夢も希望も
嘆きや痛みも
これからどこへ行こうか
どこへ行けばよいのか
夕焼け雲は退屈そうに
こちらを見続ける
雲と雲の切れ間
夕光に指される私
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