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優しい雨
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| 作詞 あんにゃ |
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もしこの曇り空から降ってくるのが戦闘機からのミサイルじゃなく
優しい雨ならば他にはもう何もいらない
ミサイルと爆弾と地雷で滅茶苦茶に荒れ果てた戦場に
国からの命令で否応なく駆り出された一人の兵士は
血まみれで束の間の休息をとっていた
やがて空は分厚い雲が覆い始め 恵みの雨をもたらした
一口それを喉に通すとふっと一瞬生き返ったような気がした
びしょ濡れの泥のシャワーは普段なら気持ち悪いが
今日は血が洗い流され冷たくて心地よかった まさに恵みの雨だ
もしこの曇り空から降ってくるのが戦闘機からのミサイルじゃなく
優しい雨ならば他にはもう何もいらない
兵士は魚や果物を食べて何とか生きながらえた
魚と言っても川はミサイルや爆弾で吹き飛ばされて
もはやその姿はない 死んだ魚の破片だ
それらを木をこすって火をおこし焼いて食べた
水だけがなかった やはり必要なのは雨水だ
丸二日経った夜明け 突然雨が降り出した
一目散に避難食糧を入れといた空き缶に雨水をぶち込み
ゴクゴクゴクゴク一気に飲み干した
減量中のボクサーの気持ちが分かるくらい旨かった
しかし油断したその隙に戦闘機に見付かってしまった
すぐ近くにあった洞穴に逃げ込んだ
雨水が岩にぶつかって「ぽちゃーん ぽちゃーん」と
音を立てていた その音は心をリラックスされ傷を
優しく癒してくれるようだった まさに恵みの雨だ
必ず生き延びて愛する家族の元に生還すると心に誓った
もしこの曇り空から降ってくるのが戦闘機からのミサイルじゃなく
優しい雨ならば他にはもう何もいらない
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