|
|
|
雪の雫
|
作詞 栞恩 |
|
冬の足音が遠ざかり 移りゆく景色にまだ慣れずに
それはまるで彩を失った裸の樹のように 虚無感にあふれてる
何を待つべきなのか分からないまま 夢はユメへと変わりゆく
沈まない月が飲み込みゆく光 恨んでも届かぬほど遠くの宇宙へ
月夜の宿命(さだめ)に翻弄(あそ)ばれて 花は美しさを閉じ込めた
羽根をもがれた鳥は 花さえ愛でられないほどに堕ちていく
孤独の舞台には幕を下ろして 涙がこの心の冷たさに凍らないように
もう降りもしない雪を待つように 僕は君を待つ…
一面に咲いた春の花 夜露に濡れ 輝き放つのに
二度と咲かないとでも言うように 光を拒む 一輪の花はない
憂い抱える闇夜に抱かれたまま 花は静かに消えていった
錆びて朽ちた思い出の扉を 開けることのできる鍵束と共に
一縷の希望さえ萎れ 花は咲き誇ることをやめた
色を持たない蝶が 鴉にさえ憧れを抱く空虚と
主役のいない物語は無意味 その全てを終焉に導こうか
張り裂けそうなほどのこの愛に 君は気付いてる?
純白に輝く希望なのに 君に贈ることはすなわち死を意味する
その真実に含み笑う風は 花びらを飛ばしていく…
月夜の宿命に翻弄ばれて 花は僕の前から消え去った
微かに残った香り それだけが今僕の知り得る花の全て
用のない過去には別れを告げ 踵を返し去ることを覚えましょう
雪の雫と呼ばれたその花 絢爛咲き誇れ…
|
|
|