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唯一論
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作詞 Serendipity |
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駅前の交番に 酔い潰れたホームレス
深夜0時を回った
得体の知れぬ心細さ
踏切の真ん中に 野良猫の礫死体
吐瀉物を撒き散らして
肩で息をする目撃者
死屍累々屍を越えて
奇々怪々夜を従え
死神のやつは鳥目に違いない
だからまだ僕を見つけ出せないんだ
おいで手の鳴る方へ
打ち拉がれた魂が
おいで手の鳴る方へ
此処に在ります
幸せなのに 幸せなのに
虚しいのは
それが最も望む幸せではないから
愛しいか なあ愛しいか
せめて 『あなたは幸せですか?』と
聞かないで下さい
チープなミリオンセラー
数撃ちゃ当たる鉄砲
本質を蔑ろに 全ては儲けとウケ狙い
お揃いの平凡が 核心突かれる度
絞め殺そうと襲い来る
『幸せはあなたが決めるんじゃない。家族、友人、学校、会社、国、世界。それぞれのコミュニティーの平均値で決まるのよ。』
子々孫々永代までも
量産の幸福を与え
満たされる 馬鹿みてえだなおれは
探してる 自分で見つけたいが為に
おいで手の鳴る方へ
他人に価値を決められても
おいで手の鳴る方へ
幸せくらい 自分で
ゴミだ不要だ 屑だ汚物だ
愛し給え
配布された型番付きの幸福だけを
聞こえるか おい聞こえるか
信仰を押し売る信者たちの
声が八方を塞ぐ
鬼さんこちら 手の鳴る方へ
分かってる お前は鬼なんかじゃねえ
さあさあこちら 手の鳴る方へ
黙ってろ すぐにそっちへ行くから
苦しんで 痛くて 妬んで 吐いて
踠いて足掻いて 出逢うべき
お前の名は… お前こそが…
幸せなのに 幸せなのに
虚しいのは
お前に出逢えず彷徨っていたからなんだ
さあどうだ 死神に告ぐ
殺伐としたあの夜にはもう
閑散としたあの夜にはもう
孤独に塗れたあの夜にはもう
居場所はないのです
あなたに殺められぬ限り
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