|
|
|
人魚姫
|
作詞 紫雨 |
|
出会ったの、消えてしまいそうな彼に。
思わず手を伸ばして 彼を抱き締めた。
叶わないとはわかっていたわ。
だけど 止める事はできなかった。
歌声を。
声をあげるわ。
だから、足をちょうだい。
自慢の声を失ってでも
あの彼にもう一度会いたいの。
憧れの世界。慣れない足。
歩く度に痛んで。
彼が私を選んでくれたら。
伝えたいのに話したいのに声はない。
彼が選んだのは私じゃなくて
周りは私にナイフを渡す。
「彼を殺してしまえ」と。
けど、絶対に無理だよ。
だって彼が好きなんだから。
自慢の声を失ってまで手に入れた足。
そのおかげて彼に会えたわ。
文字も知らない、声はない。
でも、彼の笑顔見るだけで幸せだった。
ほら、もう時間が来るわ。
朝日が昇ってくるわ。
さよなら、ってバイバイ。
泡となって消えた、私の恋。
|
|
|