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茫洋
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作詞 霧雨みつる |
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胸の奥に波が立つ
真っ白な飛沫を上げ
在りもしない虹を架ける
ゆっくりと濡れてゆく心の隅に
また幻想を見せる
それは 五月の昼下がりのような
訊ねるばかりで時が過ぎる
誰に問う
答えは返らないのに
どれほどを孤独に過ごせば
この命燃え尽きるだろう
どれほどをお前に捧げれば
この体朽ちるのだろう
どれほどを願ったら
この心消えるのだろう
どれほどを振り絞れば
魂は枯渇するだろう
幻想の虹を渡らせて
あと数歩だけ消えないで
もう一度だけ振り返る
幻想の思い出よ
私に何かは望まない
望めど その先は
湿った浜辺の風が撫で
南中したぬるい月が触れる
何処かで魚が跳ねる
あの月を目がけて
意識に飛び込んできた
夜より黒い岸壁が
私の淵を作っている
ここは 望む場所
そして 朽ちる所
ただの 静かな海
だけど 私の墓標
だから 幻想の君
きっと 逢える筈
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