|
|
|
シアター・ノスタルジア
|
作詞 野分 |
|
暗闇を目指して歩いていく
眩しすぎる朝焼けからは目を逸らした
交わした約束 僕と僕なら それは誓いのはずだけれど
朝靄漂う荒野をいく
足元をくすぐるのはエリカの花びら
どうか構わないで 今はまだ止まるわけにはいかないから
残してきた思い出は元気かな
彷徨う王に尋ねる
目を凝らせばそれは僕だったなんて 出来すぎた悲劇
悲しませたいわけじゃないけれど 忘れてくれとは言えなかった
風に千切れた涙だけが戻れない「いつか」に帰っていく
昼尚暗い川面を渡る
浮舟を揺らすのは歌姫の言の葉
今は眠らせて 夢の中でさえ ああ 歌声が聴こえる
泣いてしまうのはどうしてなのかな
滲む歌詞に答えを探す
耳を澄ませば君の声だったなんて 甘すぎる悲劇
間違っていたとは言わないけれど 正しいかなんてわからないよ
せせらぎに乗った涙だけがまだ見ぬ「どこか」へと流れていく
荒野の果てと流れ着く先の交わるところ
沈んでいく落日を受け止める
僕を照らすこがね色は背を向けたあの光と同じ
あたたかいから うつくしいから 守りたかった
残してきた思い出を想おう
近くて遠いこの場所から
黒い帳が上がれば演じられるのは懐かしい喜劇
例えかなしみに囚われ続けても 忘れたくなんてないんだよ
涙で月を濡らして君が安らかに眠れる夜になろう
僕は夜になろう
|
|
|