|
|
|
セロハンテープ
|
作詞 クロネッカ |
|
ずっと前から目の前に綺麗な花瓶があった
活けてある花は、時に毒々しく見えてしかめっ面
花が気に入らない、花瓶を倒してしまえ
倒れた花瓶からは水がたれ、ひびの入る音が響く
その音を聞いてわれにかえる
どうしようかと頭を抱える
試しに水をいれてみると、やっぱりひびから水がこぼれた
いい案を思いついた
引き出しからセロハンテープを取り出し、ひびを止める
水を入れてもこぼれないから一安心
花を見る
さっき毒々しいと思った花は、見直すと綺麗だ
ごめんねとつぶやいてもう一度花瓶に刺す
一件落着か?
いやいや違う
セロハンテープは結局はその場しのぎ
いつまでもは耐えられない
いつかは破れて水は漏れる
だったらもっとセロハンテープを巻こう
けどそれもきっと失敗
重ね巻きしたセロハンテープのせいで、花瓶がどんな模様かは見えなくなってしまうでしょう
ひびの入った時から結末は見えてしまった
いつまでもセロハンテープが持つわけが無い
そんなのわかってた
それでも愛でていたかったんだ、花瓶を、花を、水を
|
|
|