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居場所
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作詞 桐島憂紀 |
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ある夫婦がいた
とても仲がよかった
ある日子供が生まれた
待望の男の子だった
しかし彼の瞳は
遺伝子学上あり得ない
深紅だった
夫は妻を疑い
妻の言葉に耳も貸さずに
去っていった
妻でなくなった女は毎日泣き暮らした
いつも彼にこう言った
「あんたのその赤い瞳があたしを不幸にした」
少し大きくなった彼は
ある日女に言った
「僕はこの家を出て行く」
女は引き留めもせずに
「あぁ、そう」
とだけ一言彼に言った
家を出た彼は歩いたまともに行く宛もないくせに
それでも彼は只歩いた自分の居場所を探して
彼は歩いていた
ユキが降る街中を
彼の目的は一つだけ
自分の居場所を探すだけ
一晩歩き続けていた
少し諦めかけていた
限界は近い
ボロボロになった彼は
精も根も尽き果てていた
探せば探すほど見つからないもんだな
諦めてしまおうか・・
そんな彼の上に一筋の光りが降り注いだ
「何を諦めてんだ歩け只歩け」
彼にはそう聞こえたようだ
だから歩いた振り返らずに
一筋の光りを信じて
まだ彼は歩き続けているまともな行く宛もないくせに
でも彼は歩き続けている一筋の光りを信じて
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