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王様の妖精
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作詞 小豆色 |
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王様の願い事は 何でも妖精が叶えてた
今度は王様が 妖精の願い事を叶える番
子供の頃は 何でも夢が叶った
思いつく物が つまらなく平凡だったからかもしれない
だだをこねる子を見つけて
自分も昔は親へごねていたのかと ふと呟いた
それを聞いた母親は
あなたも兄さんも だだをこねたことは無いよ と
笑いながら言った
喜んでいいんだか 呆れた方がいいんだか
冷めたガキだった と 笑い飛ばされた
きっと違うと思うね
自分がだだをこねる前に
あなたがどんなに些細な願い事でも
笑顔で叶えてくれたから
自分がだだを こねずにすんだ
ふと気づく幸せを 見た
アルバムに向かい微笑んだ母
これからの未来 その微笑みを
自分は護って行けるだろうか?
護っていける 護ってみせる
綺麗な貝殻 絵本に挟んだ楓の詩織
傷ついた積木 妙に濁った石
ガラクタの宝石箱を抱えてた
子供の私は 王様だった
おやつはなぁに?
日曜日の三時には 妖精が魔法をみせてくれた
王様は満足 妖精は微笑む
妖精さん 妖精さん
願い事はなぁに?
叶えてあげる
お金は出来る限り がんばってみるから
妖精は微笑む
あなたが笑ってくれれば 私は満足だよ、 と
王様は笑う
あなたが喜んでくれるなら 私は笑って生きていくさ
王様は笑顔を 妖精へ贈った
王様に微笑みを返すと
妖精さんは 遠い国へ行ってしまった
ありがとう
ごめんなさい
帰ってきて欲しい
王様の呟きは 大きな藍色に滲んで消えた
もう願い事は 叶うはずがなかった
妖精は もういない
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