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君のために歌う歌
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作詞 夏屋 |
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歌を歌えという
『何の歌を?』
そう聞くと
『何でもいい。』
といわれた
かすかに震える指を
君の髪にすべらす
ゆっくりゆっくり君を愛しむように
さらさらとさらさらと時間が流れた
庭には小鳥が1羽いて
『かわいいね。』
そういうと
『私みたいで?』
と聞かれた
僕は歌を歌ったことなんてなかった
この世界のために歌う声なんて持ってなかったんだ
『歌えないよ。』
そういった
『じゃ物語を聞かせて?』
君は笑った
僕は物語なんて知らなかった
知っているのは君と僕が出会った物語だけだったんだ
『話せないよ。』
僕は困った
『そう。』
君は笑うだけだった
庭には光が差していて。
相変わらず小鳥が鳴いていたけれど・・・
君は目を閉じたままになった
ごめんなさい
歌を聞かせなくて
ごめんなさい
物語を話せなくて
今、君のために歌うよ
世界のためじゃなく君のために
泣きじゃくりながら歌うよ
こんな男かっこ悪いだろう?
嫌いになるだろう?
それでも僕は歌うよ
君はこういったんだ
『なんで歌が聞きたいの?』
僕は首をかしげた
『あなたの声をたくさん聞きたいの。』
君は涙を流しながらいった
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