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腐敗
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作詞 元旦 |
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捨て猫の骸を見つめているような気分だった
ドアを抉じ開けて各駅停車に乗り込む
ベッドタウンの閉塞感は繁華街に向おうとも拭い去れず、私は乗り過ごしたことに気付きながらそれでもぼんやりと豪雨が叩き付ける窓の外をながめている
逃げ道などどれだけ探したところで見つかるはずもなく、あったとしてもその先に逃げ込む場所があるかどうかは定かではなく、確実であるとしても私に逃げる勇気など欠片もない
死骸の中深く入り込みすぎて出られなくなった蛆虫のような私
蛆虫ごと飲み込んでしまう烏のような空
重い足を引きずって見当違いの駅で降りた
繁華街の喧騒はベッドタウンの閉塞感でも拭い去れず、私は身に染み付いた道のりをけれど忘れてしまったかのように煙草の煙に身を委ねている
帰り道などどれだけ苦労したって忘れられるはずもなく、できたとしてもその後どうすることができるのかなどわかるはずもなく、大丈夫と確証があるとしても私に進む勇気など微塵もない
死骸の中尽きぬ安息に包まれてけれど腐りゆく蛆虫のような私
安息の中で死なせて呉れるかもしれない烏のような空
捨て猫の骸を見つめているような気分だったんだ
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