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面影サンクチュアリ
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作詞 架橋虹 |
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霞みがかっていく温もり 遠く見つめて
貪るようにして残夢 掻き抱いた
抱き締めた途端 面影 すり抜けていく
残り香さえも奪われ ただ朝の香り
蒼い花びら いちまい放って
高くの空に 溶けるまでに
声を嗄らして 最後に名を
届かなくていい 気付かないでくれ
「愛している」と囁いたことが
数え切れぬほどあったのは確かだけど
刹那の重さに耐えきれず
流したくなる涙だってあるもんだ
引き止めようとした手を 疎ましそうに
払いのけたりなどせず ただ目を伏せた
最後に、とそっとただ一度 ふれるだけのキス
空が曇っていた午後は 微笑み見せず
寂れ始めた 庭先の花
冷えた心に 染みるようで
見上げた空には 溶けた蒼色
思い出すのは 光る笑顔だけ
「永遠」と口付けた時に
泣き出しそうな顔で微笑んでいたけれど
望んでいた言葉ではなく
単に傷つけていただけだったなんて
「愛している」と囁いたことが
数え切れぬほどあったのは確かなんだ
「二人が過ごした」事実だけ
胸に残していよう いつか枯れるまで
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