ご自身で作詞された歌詞を「うたまっぷ」で発表するコーナーです。皆さんのご投稿をお待ちしております!
無料歌詞検索・うたまっぷトップへ
 人気投票

無料歌詞検索・うたまっぷトップへ

勇者の経験値
作詞 JINRO
 大の大人が真っ昼間に風呂場の中で歌ってた。
 勇者の経験値は、そうたいしたもんじゃない。
 音なんてまるで取れてない、声なんてろくに聞けたもんじゃない。
 それなのに僕は黙って真夏の窓を開け放した。
 こいつはどこでどんな正義の味方を倒してきたんだろう。

 大の大人が調子外れの、大声で、鼻歌交じりに叫んでた。
 勇者の経験値が、どれだけの足しになるんだろう。
 どれだけ倒したって、なんの役にもたちゃしない。
 そんなことはない! 僕は小さく叫んでいた。
 震える手のひら、汗ばんだ拳を握り締めた。
 そんなことはない! 誰だって憧れて夢を見て。

 勇者の経験値なんて、ろくなもんじゃない。
 何度倒したって、何も残りゃしない。
 大の大人が風呂場のタイルに残響を響かせて歌ってた。
 歌い疲れて喉も枯れて果てていたのにそれでも、小さく泣き叫び続けていた。
 大の大人が僅かに残った最後の声で。
 正義の味方が最後の最後に殺しに来てくれるまで。
 大の大人は今日も汗ばんで、ろくでもない経験値を必死に掻き集めている。
 それは何のためだっけ。そう僕のため。

本作品の著作権は作詞者に帰属します。
掲示板、
ブログ等に
リンク
URL▼

リンクタグ▼
歌詞タイトル 勇者の経験値
公開日 2005/08/17
ジャンル ロック
カテゴリ 家族
コメント  勇者はどれだけの経験値を持ってるんでしょうね。
JINROさんの情報
  • プロフィールは公開されていません













うたまっぷTOP作詞スクール歌詞検索自作歌詞愛ことば便アーティストクリップうたまっぷインディーズ俳句・川柳
お問い合わせ歌詞リクエスト登録リンクURL登録音楽関係リンクサイトについてプライバシーポリシー
うたまっぷ