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今昔夢物語
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作詞 いかたこ |
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遙か昔の人々は 夢を見ていた
ただ稲だけが揺れている 夢を見ていた
一面に広がる田に舞う 赤蜻蛉
山から吹く風が 稲を撫でていく
「ああ素敵だね」なんて語りながら
他にはただ一つの 夢を見もせず
金色に輝く穂の 夢を見ていた
遙か昔の人々は 夢を見ていた
ただ民が幸せに暮らす 夢を見ていた
誰もかもが皆笑いながら 暮らして
日々に憂う可能\性など あり得ない街
「いつ叶うかね」なんて話しながら
他に見る夢など 思いもよらず
虹色に光る世界の 夢を見ていた
「この世には他の生き方もあるよ」なんて
気持ち惑わす人がいないから
遙か昔の人々は 夢を見ていた
夢を見ていられた
今を生き抜く人々は 夢を見ている
何もかもを手に入れた 夢を見ている
街行く人が皆私を 知っていて
尊敬の眼差しと共に 頭を下げる
「馬鹿馬鹿しいね」と自分を責めて
叶うはずなど一つにも 無いと知りつつ
出来過ぎた脳内世界の 夢を見ている
「この世には他の幸せがあるよ」なんて
教えてくれる人がいるから
今を生き抜く人々は 夢を見ている
夢を見ていられる
これからも
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