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wild cat
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作詞 黒翼色 |
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いつものように黒いコンクリートの上に
寝そべって心地良い風を浴びている
野良猫だからちゃんとした名前がついていない
名前を付けてほしいとは思っていない
名前があっても知らない人間は「猫」って
呼ぶのだから名前なんてなくてもいい
道行く人たちが頭をクシャクシャと撫でていく
ニャ〜と鳴けば皆視線をこちらに向ける
ニッコリと笑いながら屈んで顎の下を擽る
快感という名の感覚を味わいながら目を瞑る
いつもの時間に近所の人が餌をくれる
ニャ〜と鳴けば「ヨシヨシ、いいこね」と
頭をクシャクシャと撫でて餌を与えてくれる
餌を食べ始めると我が子を見るような瞳で見つめる
食べ終わるといつも頭をクシャクシャと
撫でた後「また、明日ここにおいで」と言う
いつもいつもあの人は待っていてくれる
晴れの日も曇りの日も雨の日も待っている
餌を持って必死になって探してくれる
何故飼い猫でもない猫を必死に探してくれるの?
涙目になりながらも大きな声で探してくれる
ニャ〜と鳴けば駆け寄って抱えて抱きしめてくれる
ホッと溜息をついて「心配したんだよ」って言ってくれる
野良猫も悪くないなって少しだけ思えた気がする
あなたは優しい世界中の人間の中で一番優しい人間
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