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五月五日
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作詞 少年B |
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サヨナラも告げないで 消えてしまった
本当は名前もあったろう 誰かからもらってなど居ない
皆が羨むような 素敵な
毎年晴れるらしい 輪郭が見えた
雲をよく噛んで食べた 長い帰路の途中で
はしゃいだ君が薫った
目がさめたら 君を残して 明日が打ち寄せる
白紙の手紙に伝う記憶 春の面影
頬を撫でて移ろう 柔らかな風のような
それでも未だ 絡んだ指先が 覚えている
言葉を尽くしてみても 帰らぬ春が暮れる
そっとヒグラシの鳴く声が とても大きな掌で
僕もまたサヨナラする
数え切れない 日々の残滓に 明日が打ち寄せる
揺れる菖蒲の様に浮かぶ 夢で逢えたら
素足を砂がくすぐる 二つの足跡
白いワンピースが 淡い潮騒を 聞いていた
目がさめたら 君を残して 明日が打ち寄せる
白紙の手紙に伝う記憶 春の面影
頬を撫でて移ろう 柔らかな風のような
それでも未だ 絡んだ指先が 覚えている
少し冷たい波が 一人分の足跡を攫ってゆく
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