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作詞 蘇季
風が通り抜ける街の隙間を
無我夢中で駆けだした夜は
あの月の裏側にも行ける気がして

ふと空を見上げた。

「もう君には涙をみせたくない」
とわらう言葉の奥
黒く渦巻く本音と拒絶
「汚れちゃった僕を愛して」
なんて
言えるわけないし
「今にも壊れそうな君を抱きしめたかった」
なんて
昔好きだった童話のセリフを口にして

ふり返れば君はいないのに

君の名前を繰り返して
「今日もまた眠れない」

キエナイデヨ イナクナラナイデヨ
夢の中で繰り返して
視界が朱紅く滲む

指の隙間から漏れる光景(ひかり)は
簡単に僕の視力を奪う
嘲笑うように掠めるから
泣き叫ぶ声すら
涸れ果てて誰も聞こえやしない。

「誰のためでもない自分を守るには
これ以外には方法がなかった」
なんて
笑いも乾く本当の〔偽りの〕言葉
金木犀の香りが君の肌を滑るならば
「もう一度届け」
姑息な言葉ですべてを欺いて

「コレカラハ」
君への気持ちすら隠して
もしくはすべてを忘れて
そうやって生きていこうとすれば

枯葉が頬切り裂いて
「前を向いて」

自分が生きていることを知らせた。

煙を肺いっぱいに吸い込んで
むせかえる人を横目に
己の弱さをかえりみた
「同じことは繰り返してはいけない。」

呼吸すら忘れたように
夜の街を走り出した
あの星の向こうへ
「声よ響け」
と願って

ふと空を見上げた

無我夢中で走り続けた僕は
空白を吐いて
闇に消える

思考を黒で塗りつぶせ。

本作品の著作権は作詞者に帰属します。
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公開日 2015/09/16
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コメント 本当に好きなら中途半端にしたらいけない。手放したくなかったなら愛していたなら、一番に自分に嘘をついてはいけない。後悔をするは目の前の人間に失礼だ。って話。
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