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亡霊
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作詞 れんれん |
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星が降る夜を白い息が
ぼかしていく頃、僕は死んだ
なんの理由もなく佇んでいるだけ
それが初めましての僕だった
夕暮れと共に鳴る虫の声
それを聴きながら僕は育った
正しさを誰かに強要しながら
優しさを知らない僕だった
たまに視線が合う奴がいるんだ
そこに僕はもういないのに
アンタが知りたいものはもう
霧の中に溶けちまったよ
それでいい
僕は亡霊さ
人の気持ちなんて分かんねぇ
心なんてものは持ち合わせてない
僕は亡霊だ
考えようとする脳もねぇ
腐ったから捨てちまったよ
そんなもんだろ早く逝かせてくれ
君と話した花のことも
紅葉が魅せるその憂いも
結局視線を逸らす為の道具
誰にも自分を見られたくなかった
所詮僕はお化けだからさ
陽の光には当たれない
無数の人に溶け込んで
自分というものを消してしまう
それがいい
僕は亡霊さ
誰も知らなくていいものさ
どうせ誰にも理解んねぇもんだ
僕は亡霊だ
綺麗(いい)事いうのもいい加減にしろよ
興味なんてすぐに失せんだろ
そんなもんだろ早く逝かせてくれ
君は神様はいると言った
「だったら何故幸せになれない?」
それだけ罪を犯した
どれほどの痛みかもわからなかった
それでも……
僕は亡霊さ
愛していた人がいたのさ
それが僕の未練だった
僕は亡霊だ
苦痛を早く終わらせたかった
白い煙を吸うように
そんなもんだろ……
君も亡霊だ
心に巣食っているんだ
それが僕の償いなのさ
僕の亡霊だ
苦痛を終わらせたくない
君を消したくない
そうだったんだ…消えたくない
消えたくないよ
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