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herbarium
作詞 つきなみゆうき
ああ もう二度と戻さない感情に出逢ったら
これほどまでに強くなれるのかと 哀しく


手に摘み生けるよりも
ふと向けば咲いている美しさを
時折眺めていられたら良かったのに


風に舞い揺れる体 何をしてもいい
自分の意思で光を取り水を受け
媒介者を引き寄せる

不思議な魅力を持つ花


きみは摘み取られた 自らの意思で僕に
もの欲しそうな顔に 気付いていたのか

枯れることを予見もせずに
その美しい立ち姿一つで


あれほどまでに欲したものが手中にあるのに
とうのきみは あの場に咲いたまま

触れられないきみの愛し方に
幼い僕は情動のまま 枯らしてしまった


美しい花は 枯れてから深みが増す
生ける間では知り得なかった 流麗な香り

潤う事を拒む反抗的な色彩は
僕の体温 僕の触れ方 僕の囁き方で変幻する


少し触れようものなら
壊してしまえる欲を隠し 腕に包み込む
この僕にしかできない扱いだ


立ち姿のまま オイルを脚元から注ぎ入れ
ガラスの中に閉じ込めて 永遠 永遠にだ


光が射せば 花弁も透ける
僕しか見られない 苦顔を愛でる ああ
泣き顔さえ愛おしい 誰にも触れさせない


緩やかな液の中で 儚く可憐に鳴く花を
紐で縛りつけ 窓辺に飾り







放置する






僕に毒され 己の名も忘れ
僕の一部となり 散る事を望んだ
純粋で可愛い 僕の枯れた花の詩




そこに在るきみはまだ 抜け殻か?

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公開日 2022/04/08
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