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天と命
作詞 過悔
何時か粉雪が霞纏い躍る頃
枕濡らし身を捩る悲しさに
工夫努力才能全て否定されながら
捨てきれずに隠した希望があった

轟々と響かせ走る春一番に
吹き曝され震う薄紅の蕾は
千切れ落ち踏まれ腐り土へ還る為
細枝から芽ぐみ育ったと言うのか

何時か蝉が焔浴びて唄う頃
筆を置き額を拭う気怠さに
己が特別でないと悟って尚も輝く
まだ幼い内に秘めた憧れがあった

霹靂も地へ注ぐ夕立の中で
玉弾き堪え忍ぶ黄緑の蛹は
陽に色めいた御包み見せたいが為
向日葵を懐いて眠りに就いたのか

「何の為この世に産まれたのか」
問を圧し殺し生きる事が解なのか
「何の為生きるのが正解なのか」
解を持たずに生きる事は罪なのか

何時か子が大人と成り歩き出す頃
その背支え続けた永遠の愛しさが
心の底そっと仕舞い幾度甦らせる
何にも換えられない記憶があった

微笑みと共に差し伸べられた指を
意味も分からず握り締める掌さえ
やがて冷めた灰の粒と散り行く為
巡る血の温かさを得たと言うのか

確かな答え示せずさ迷う命も
死す為産まれた命である物か
苦しみ悩み嘆きながらでいい
あの疾風に胸張り誇れその命

神に創られた命でないならば
命に織られた魂であるならば
自らどうして生きたいのかを
あの驟雨に打たれて叫び貫け

何時か命尽きる迄
あの天へと昇る迄

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公開日 2020/09/17
ジャンル 荅鐚鐚
カテゴリ 綽吚
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