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酩酊
作詞 歪み
 「僕がいるから大丈夫だよ」と言って
 心底安堵する人は何人いるんだろうと
 夜半過ぎの肌寒い部屋の中で考えた
 数少ない知り合いも
 幼い頃からの友人も
 親戚も 誰も彼も 浮かばなかった

 踊れ 踊れ 狂うほど
 往く年月に足場は狭まり
 往く年月に視野は広がる
 踏みつけるたび台座は悲鳴を上げる
 寂れた心の嘆きにも聞こえた

 ずっと一緒に居ようと言った
 「永遠」を信じた彼女は言葉に酔っていた
 アルコール度数は99.5%
 無水エタノールに浸った言葉を舐める
 その心地よさに慣れて
 彼女はすぐにそれを求める
 
 踊れ 踊れ 己を誰とも思えぬほど
 廻り続けて幾星霜
 足元の台座は穿たれ割れる
 代わりはいくらでも生まれてくる
 生きている限り 存在する限り
 私はそれを愛とは呼ばない

 朝明けの香りが鼻腔に流れ込む
 目蓋を開いたその先は何だったろう
 最後泣くのは幸か不幸か平等か

 

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公開日 2020/11/02
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