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帰省
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| 作詞 あかさてな |
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未だ志し半ば
人生の行く末も見えぬ
心のスクリーンに映し出される
暮春の緑溢れる風景に
心を突き動かされ
故郷の駅に一人降り立てば
懐かしさの余り
一時過去に想いは馳せぬ
嘗て旅立ちの日に眺めた町並みと
一つとして変わらぬ其の様に
込み上げる郷愁の念を感じつつ
辿り着いた我が家には
少しだけ年を重ねた両親と弟妹達が
僕の帰郷を快く待っていてくれた
食卓を囲み久し振りに味わう母の味は
心のささくれを少しずつ溶かしていってくれた
風呂に入り 束の間夜空を眺めれば
星星が一際輝く静寂の帳に
満ち始めた月が煌々と光を投げ掛ける
久々に親子揃って川の字に寝床に入れば
いつの間にか小さな寝息が響き渡る
次の日、懐かしき同胞が揃って
皆して四方山話に花を咲かせる
嘗ての初恋の少女は今はもう結婚して
大勢の子供達を育てる肝っ玉母さんに変わって仕舞った
嘗ての友たちも皆一様に落ち着く場所に
落ち着いて仕舞った様で
其々に顔立ちも体格も年相応に貫禄を醸し出していた
嘗ての学舎は今はもう無くなり
新たな建物に生まれ変わって仕舞っていた
何時までも変わらない物
何時の間にか変わって仕舞った物
其れ等に時の移ろいを感じつつ
僕は駅のホームにて感慨に耽りながら
僕の日常に戻る為電車に乗り込んだ 志し半ば 今度帰って来る時には
錦の旗を掲げて凱旋出来る様に
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