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ノート
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作詞 新田拙 |
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僕のつたないことばでは
ノートのひとつも埋められない
過去の感情がこわすぎて
なにもなかったふりをする
なにもみていないことばが
人のまねごとのことばが
難しいだけのことばが
僕の後ろで横になる
夢なんてことばにしてちゃ
つまらなくなる
永遠の物語にはなれないんだ
口を閉ざしたわけじゃない
何か言おうとしていることに
気づいてもらえないだけなんだ
考えてないふりをする
顔を隠したことばが
キザなふりしたことばが
ダサいふりしたことばが
僕に視線を刺している
「大丈夫だよ」だって
「不安だよ」だって
何もない日々の嘘の感情
音に乗らない歌詞たちが
僕の記憶から消えていく
過去の感情がこわいこと
すっかり忘れてしまっている
意味のなささえも
忘れてしまって
くもの巣と戯れて
僕のことを忘れている
無理して作ったドラマチックな妄想
血も汗もない過ぎ去った日々
振り返ってこの目で見ても
過去を向かないその足は
僕のいつかを見据えていて
明るい場所へ誘っている
まっすぐな道のことばを
曲がった道のことばを
分かれ道のことばも
拾い集めて僕になる
僕はノートの上にいる
意味のない歌を歌いながら
たまに空を見上げている
かっこいいふりをしている
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