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愛の残滓‐Residue of love‐
作詞 辻由也
三年前に掲げた野望は
今や踏みつけにされてしまって
俺たちを食い物にしたビルは
縦に縦にと背を伸ばすばかり

俺たちの野望は壊れやすいから
だから優しく踏みつけてくれよ
感情のないアスファルトだけが
横へ横へと広がり続ける

縦列と横列が張り巡らされた クロスワードな街
なんのヒントもない中で善や悪を謳うのはどうして?

足りない言葉で未来を選んでみても怖いだけ
これじゃ貴女への愛も 到底実を結べそうにない
疼いた胸だけが熱を持っている 仮初めの逢瀬

身を粉にして働いてきたが
魂までも殺ぎ落としてしまった
せめてこの愛の残滓だけでも
貴女の腕に抱かせてやりたい

時間に追われ金に身を焦がし 夢を売り涙を呑んだ
偽った現実の朝焼けに 相槌を打つ月曜日

黄昏に見た貴女を 忘れようと心した
だけど何より心がそれを厭おうとする夜
許してくれないのか? 慾にまみれているこの純情を…

クロスワードは途中で辞めたと
泣き言と夕暮れと貴女からの慰めと
記憶にあるのはそれくらいかな
タバコを幾ら心臓に注いでみても
禊にならず報われずにただ
爛れるだけ、溺れるだけ、そう辛いだけ

足りない言葉で未来を選んでみても怖いだけ
貴女との会話ですら継ぎ接ぎだらけ 怖いだけ
賢くなっていればこんなにも怯えることはなかった
僅かに残っている期待の所為かも
貴女という名のこの街のすべてよ

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公開日 2017/06/07
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コメント システマチックな社会で評価されようと、歯車のようになっていく日々。人間だったことを忘れるまえに、ほんの少し残っている愛を抱いてほしくなる、そんなときがたまにあります。
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