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蝉とカラス
作詞 ろいろい
小さくなった煙草の向こう
硬い雑巾みたいな曇り空に吸われる煙越しに
目に入ってきたのは 売れ残って酷く汚れた西洋画
人々が嫌いだと唸る 孤独なままの鋭利な夏
伏し目がちに蝉の抜け殻 何処かで命の叫びが聞こえる

コンビニから右腕に提げたビニール袋
缶ビールたちの衝突が不協和音
葉の息を潜め合うその間から 散らつく斜陽が嫌に腹立つ
ビルの屋上で足を踏み出した 清々しいくらいの藍色の制服の
彼女は腕を広げた 鳥になりたい目をしていた

誰もが終わりを確信しているのに
狡い程に姿を隠すその句点にどうせ誰も気づいちゃいない
明日を信じて 未来を信じて
蝉はカラスに啄ばまれる 自我と自我の衝突が
アスファルトを埋める血液となる

今叫ばなければ 寝首かかれるぜ
今歌わなければ 突き落とされるぜ
明日なんて待ってちゃくれないぜ
未来なんて待ってちゃくれないんだぜ

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公開日 2018/03/20
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コメント 友達と蝉やカラスはカッコいいという話をしていました。周りに何と思われようと、今を懸命に生きているからです。そんな詩です。一応、恐らく、ポエトリーリーディング。余談ですが、カラスって本当に蝉を食べるんですね。なんとなくで書いたので知りませんでした。
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