|
|
|
灰色の神様
|
作詞 ろいろい |
|
人を容易く信じるほど 馬鹿になってしまったのが僕らであって
詭弁を愛せなくなるほど 無力になったのも見ないふりした
汗掻いて血が滲んだ掌を 恥ずかしげもなく見せつけてきた
お前は必死で僕に縋り付いて 「俺、頑張っただろ」なんて
僕らが春を嫌っていたのに これといった理由などなにもないけど
新しい自分が生まれたと言った あいつをお前と笑ってやった
都会を見下ろす 流れる景色を 電車の中で見つめていた
遣る瀬無さも後悔も後ろめたさも 捨てきれず引き摺って歌ってやるんだ
今更誰かを蔑んだって 見えぬ神様って奴を憎んだって
周りに認められないと嘆いたって 上手くいかないことを喚いたって
僕らが僕らでいることなんてもうやめられないことは分かってるだろ
死んでやると言ってもこの世界では死ぬことが許されないと分かってるだろ
人を区別なく疑うほど どうしようもなくなった僕らであって
欺瞞を裁けないくらい 弱くなってたのも見ないふりした
お前は嘗ての強さを失い 項垂れて酒ばかり呑んでいた
お前が失くした自信もあの笑顔も 代わりに僕が
見つけるまで 歌ってやるんだ
首を括りながら怯えたって 自己嫌悪に浸った目で笑ったって
同じことを繰り返してばかりいて 奇跡だの夢だのを信じたって
誰もが呆気ないことなんてお前はもう分かってしまっただろ
なのに綺麗事ばかりにしがみ付いて無駄に頑張る意味を見出せているか
影で努力して 真面目でいろ
だけど気づかない奴らがそもそも無関心なら
その努力の結果は必要なものか
お前の隣でふと思った
自分がやったこと できたこと
認められたいならば 勿体ぶらず
自ら前に出て 胸を張れよ
その汚れた 両手を高々と挙げろ
人生は案外そんなもんだから そんなに悩んだって仕方ない
お前の草臥れた背は格好良いぜ 大丈夫だからもう、泣かないで
僕らが僕らでいることの理由は惰性でもなんでも失くしちゃ駄目だ
死んでやると言っても生きてるのは その惰性ってもんが手放せないから
見ろよ、今日も街は灰色だ 憧れの鮮やかな街じゃない
そんな街を選んで飛び出すことを 選んだのは紛れもなく僕らだ
明日なんて来て欲しくないやと お前は笑いながら言っていた
涙なんてもう渇いていた 朝日が昇るのを見つめて
綺麗だなって 互いの声が重なった
|
|
|