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メメントモリ
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作詞 ろいろい |
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ねえ、キミはどう思う?
これから話すことを 聞いた話だけど
伝えておきたいんだ
空よりも深い色した海を見ていた少女は
遠くで騒ぐ鉄の音を聞いて育った
鉛色した煙を指差して母親に言った
怪獣みたいだねって 無邪気に言った
少女は海を愛していました
だけれど傷ついたある日 涙と共に
空き缶を投げ入れた 波に飲み込まれた
死んだ目をした銀の魚は 波打ち際で口を開けてた
ビニール袋が落ちた砂浜 子供は針金で怪我を負った
人の骨が流されてきた 白いワンピースがなくなった
人々の命にこの海は大きすぎた
ビルとビルの間で歌を歌っていた少年は
見えない明日を擦り潰そうと声枯らした
落書きだらけのシャッターの前一人きりで
誰に聴かれずとも歌い続けていた
少年は歌を愛していました
だけれど指を差されて ギターを捨て
屈辱には耐えきれなかった 爪を噛み捨てた
少年はビルとビルの中で ナイフを持って走り回った
叫び離れていく雑踏を 蔑みながら笑ってやった
両腕を掴まれアスファルトの上 頭を押さえつけられ
叫んだそれは歌ではない
「こんなはずじゃなかった」
ねえ、キミはどう思う?
今まで話したこと
何も言わないってことはどうやら
辛すぎるんだね
この世界に生まれて良かったなって思うよ
キミと永遠に愛し合っていられるから
膝を抱え 怯える防空壕 どこからか聞こえる警報音
燃えた大地には枯れた花が 燃えなかった海には死体の山
勝ちか負けかで決まる幸福論 殺されたのは平和の歌
さよならと別れも告げられずに 意識を取られる工場の下
ねえ、キミはどう思う?
こんなにも悲しい話を
そしてこの物語の後に
生まれたのはボクらだってこと。
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