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バケモノ
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作詞 そらのおくりもの |
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路地裏の闇に溶けるその背中
誰かに愛されたくてバケモノは歩く
ビルの狭い隙間から零れ落ちる
光の向こう側を憧れていたんだ
外を歩けば何もしちゃいないのに
冷たい目で石を投げつけられる
嫌われ者だって気付いていたさ
だけど一瞬でも温もりが欲しかった
何でこんなものを持って生まれたんだろう
別に好きで背負っているつもりなんてないのに
遠くで笑い合っている影を見た
同時に熱い何かがひとつ落ちてきた
拾いあげてみたら ようやく理解する
これは孤独という生きている証だと
ずっと誰かを待っていたんだ
いつかこの寒さにも陽だまりが来るって
そうやってたくさんの日が暮れる
信じることに疑いが覆いかぶさった
ある時そっと近寄ってくれた知らない声
あまりにも優しすぎて思わず震え逃げ出した
触れたら傷つけてしまいそうで
存在がここから消えてしまいそうで
望んでいたものが自分にとっての
一番恐れていた覚悟だったと知る
言葉が伝わらなかったら 思いは通じ合わないのかな
姿かたちが違っていたら ずっと側にはいられないのかな
本当は大嫌いなんだ 人も自分も立つ場所でさえも
でもそれ以上にきっと そのすべてが大好きなんだ
あぁ…
何でこんなものを持って生まれたんだろう
あぁそうか これはこの手で選び取ったものなんだ
またひとつ熱い何かが落ちてきた
例えどんな意味を持っていたとしても
必死につかんだのは確かな温もり
心に刻まれ 光という脈を打った
路地裏の外に溶けるその背中
誰かに触れたくてバケモノは歩く
嫌われ者の前から零れ落ちる
光の向こう側を胸に抱いて
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