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自分抹消
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作詞 凪野 |
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ポニーテールのその少女は
人の心がもう嫌で
齢14のその若さで
命を落とそうとして世界から逃げた
『自分抹消』
突き刺さる刃物を見ながら
痛みに叫ぶの堪えて目を閉じた
そのはずなのに
この町はなんだろう
まるでこれはそう自分の町
見慣れた風景見慣れた人混み
さっき目を閉じてそして開いてみたら
あの町の交差点にたっていた
「おかしいな」
小さくそう呟いた
自分とぶつかりそうになり半身を避けるチャラ男
「おかしいな」
死んでいるのか生きているのか
どうやら幽霊ではないようで。
すると目の前にいたクラスメイト
自分に目もくれずすれちがった
目を開けたらあるこの世界は
自分がいるようでいない世界
まるで自分が幽霊のよう
でも体はあって存在はなくて
誰も支えず誰にも支えられず
どうして
こ の 世 界 か ら 消 え ら れ な い の
とある長身の男とぶつかった
「すいません」と呟き去ろうとしたら
腕をがっしりつかまれて
私の名前を呼ばれたんだ
カフェで座った私達
どう見ても知り合いとは思えない
「あなたがいるこの世界
これはあなたのための世界です」
何を突然意味不明なことをこの男は言い出すんだ
「この箱の中にはあなたの望む物がとれるはずです」
意味が分からない
「何でも出せます権利とかだって」
それに一言喋って男は消えた
「今世界はあなたのもの。あとで返してくださいね」
目を開けたらあるこの世界は
自分がいるためにある世界
まるで自分が神様のよう
でも箱はあっても存在がなくて
誰も知らず誰にも知られず
ちょっと
こ の 世 界 を 作 っ て み ま し ょ う か
ある日男がやってきたのか
いつの間にか箱をもってった
次の日の朝起きた私は
花畑に立っていた
目を開けたらあるこの世界は
自分が消えるためある世界
そうだ自分は死んだんだ
でも悲しくはなくて嬉しくもなくて
ポケットに入った小銭をもって
じゃあね
こ の 世 界 か ら 自 分 を 抹 消 し ま す
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