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セピア色
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作詞 エフ |
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風に葉が揺れる午後
もしも、と口をついてでる
他愛のない感傷に
あなたの瞳は翳りを帯びた
ゆるりと上がる口角は
唯切なさだけを語っていた
いつかこの焦がれる思いは
母のアルバムのようにセピア色に
ひたすら時を重ね続け変化していくのだろう
まるでそれは希望のようだと
秋空を仰いだあなたのその瞳に いつか
いつか僕が映る日がくればいいと
センチメンタルな秋風が僕の髪をかき混ぜた
それは小さな願いだった
世界に無数あるひとつだった
秋茜も姿を潜めた寒空
膝を抱えてうずくまる足元
雨は過ぎ雪の季節の小さな雫
あなたの瞳は涙に濡れた
引き結ばれた唇は
感情をせき止めるダムになった
いつしか心にできた深い穴
歩みを進める度に出逢う感情に
名前も付けずに放り込んだゴミ溜めみたい
もうこの先に道はないのだと
曇天を仰いだあなたのその心に いま
季節はずれの蛍を飛ばしてみせるから
抜け道を示した僕の指先小さく小さく震えてた
迷い迷い忘れられないセピア色
あなたはそうっと呟いた
そのセピア色の思いに色を塗るのは
僕であって
僕であってほしいと
繋いだ指先に力を込めた
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