|
 |
|
カウンセラーと記録用ノート
|
| 作詞 アザレヤ |
|
今日は平日 雨のち晴れ
晴れの文字を手で隠し
ふっと息をふきかけて 手のひらに浮かべた二文字
白い紙に流せばほらすぐに 順番通りに揺れる
名無しの手紙 ポケットに
焦がれる指先をしまいこむ
背中合わせのぬいぐるみ 「声が欲しいの」
お人好しな君はまた 甘えん坊を助けるんだ
傷ついていくのは誰かなんて 知ってるのに
色褪せた瞳を ひとりの涙を
見てきたのに 僕はだめだね
転がった先にあったのは 切り取ったあの日のページ
無意識に書いた あ行のない四十五音
今日は休日 晴れのちくもり
くもりの文字を撫でて
ふわりと指で円を描き 手のひらに浮かんだ三文字
音程を揃えればあと少し 鉛筆が折れた
僕の矢印はまだ 何個も並んで君に向いて
その先に新しい方向があったなんて 知りたくなかった
色褪せた瞳を ひとりの涙を
たどる権利は もう僕にはない
残しておいた最後の相談は 君の恋の悩みごと
埋まるはずなのに そのスペースだけ白くて
今日は終日 雨模様
この雫が花弁に変わるまで
消えてはいけない答え 風に乗せた四文字
届かないままでいいからと 記録を破り捨てた
君のために始めたんだから 君が幸せなら本望だよ
昨日まで続いてたカウンセラー 今日でやめるね
|
|
|
