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あ・り・が・と・う
作詞 LUNA
ある昼休み、私は近くの公園でベンチに座って空を見上げた。
暖かい陽気に包まれながら、昔のことが頭をよぎった。

思春期の頃、よくお母さんと喧嘩をした。
喧嘩をする度、家から飛び出し走っていった。
悔しさと寂しさの入り混じった心を抱えながら、夜の公園へ走って行った。
一人ブランコに座りながら夜空の星を眺めてた。
まだ肌寒い中、私はコートも着ずに薄手のTシャツ一枚だけでブランコを漕いでみた。
肌身に沁みる寒さの中、少しだけ温かな空気を含んだ風が私を包み込む。
なぜだろう。星が霞んでぼやけて見えた。
ほほに伝わる一筋の線。私はいつの間にか泣いていた。
家に帰ると『おかえり』と笑ってお母さんが迎えてくれた。
本当は嬉しい筈なのに私は何も言わずに部屋に行った。

何をしても許してもらえると思っていた私。
お母さんなら許してくれると思っていた私。

でも、お母さんはいなくなった。
喧嘩した翌日なのに『いってらっしゃい』と笑顔で見送ってくれたお母さん。
でも、その日『おかえり』と言ってもらうことは出来なかった。
薄暗い病院の部屋の中で、冷たくなって目を瞑っている。
よく喋ってくれた口も、何時も笑顔だった顔も、温かく抱きしめてくれた腕も。
どれだけ『ただいま』と言ってみても、もう何も答えてはくれない。
この日、お母さんは消えてしまった。
私は独りになってしまった。

『あれから何年たったのだろう』
ふと目を開けると、暖かい風が通り過ぎた。
私も今では一児の母。
『お母さん、見ていてね。私頑張るから』
そう、心で呟き私は私の日常の中へと吸い込まれていく。

お母さんの懐かしく優しい気配に包まれながら。

本作品の著作権は作詞者に帰属します。
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公開日 2011/05/14
ジャンル 荅鐚鐚
カテゴリ
コメント 思春期に、親子喧嘩など良くあることで、特に母親と喧嘩したという人も多いはずです。そんな人に見てもらいたいと思って書きました。あなたが反抗してもお母さんはいつまでも見守っていてくれているんだよって言うことを知って欲しくてかきました。
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