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ペンギン
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作詞 パフィン |
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自分の小さなつばさを見てため息を一つ。
自分より飛べる仲間を見て涙がこぼれた。
「何で僕は飛べないの?」
自問はできても自答はできず、先に進んでいく仲間を目で追った。
僕はペンギン。
飛べないペンギン。
見えない背中を追いかけて。
いつからだろう。隣に君がいなくなった時から、少しずつ何かが狂っていった。
「君が見ている世界は何色ですか?」
のばしかけた翼は行き場をなくした。
どうせ飛べないんだったらさ、いっそこの空気にとけて混じってしまおうか。
そして、黒い雲になって君に雷を落としてしまおうか。
そしたら君はなんてキレイゴトを言うでしょうか?
それでも僕のコトを仲間だと言ってくれるでしょうか?
ねぇ・・・。
白いベッドの上でため息を一つ。
闇へと続く誰かの手にすがってしまった。
君は今、どこにいますか?
誰に聞いたら答えはでるの?
クチバシはもう涙で錆だらけ、さ。
僕はペンギン。
夢見るペンギン。
小さい翼を動かして。
いつになったら見えるんだろう。君の見ている景色。
少しずつ離れていく手。
久しぶりなのに握手もできないな、なんて、弱々しく笑ってみる。
どうせ見えないんだったらさ、いっそ見ることをやめてしまおうか。
そして目を閉じながら笑ってみようか。
そしたら君はどうするでしょうか。
大丈夫かと心配してくれるのでしょうか?
そしたら僕は何て言えば良いでしょうか。
いつも通り強がって、大丈夫だと言うのでしょうか?
言うのでしょうね・・・。
いつになったら素直になれるのでしょうか。
もう嫌だと叫べるのでしょうか。
「無理はしなくて良いよ。お前が頑張ってるの、俺はちゃんとわかってるから。」
厚い氷に亀裂がはいる。
間から見えたのは海でした。
僕はペンギン。
気づいたペンギン。
別に空を飛ばなくてもいいじゃないか。
海はこんなにも、僕に優しかったんだ!
君が空を飛んでいくのなら、僕は海を泳いで君をむかえにいこう。
別に同じ道じゃなくていいんだ。
僕は僕の海、君は君の空から新しい世界へ踏み出していく。
それでいいんだ。
それがいいんだ。
僕は僕。
君は君。
別々の道から同じ目標にむかって進んでいく。
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