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雪
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作詞 傑木 |
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夢の中でくらい 良い気分でいたかった
繰り返し見た白くぼやけた光景
現実で押さえつけて 融かしてなくしたはずの怒り
曖昧な夢の中で それが雪のように降り積もっていた
何十回 何百回 何千回も逡巡して
風に吹かれて巡った雲が 気まぐれで雪を降らすみたいに
行き場の無い憤りが山のように積もっていた
それは静かに瞳を瞑っているようで
見え隠れする殺気 触れれば突き刺さる針の様
怖くなって僕はそれを隠した
やがてそれは心も包んで 深く冷たく固まった
そしてなぜか季節外れの芍薬が
花開いて笑っている 僕を見て笑っている
また怖くなって目を逸らした
どうせ春が来る頃に いつの間にか雪は消えて
全て元通りになる だから大丈夫
そうやって時が解決してくれると思って
自分では何もしようとしなかった
何のために人が温かさを持っているのか 知ろうとしなかった
そんな愚かな人間だから 誰かに触れて感じようとする
その温かさを冷たい体温で奪ってしまう
もうこんな事は繰り返したくない
次に誰かの手を握った時は その手が冷たいと感じるように願う
そう願うだけ そう願うだけ そう……願うだけ……
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