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かすんだ月が見てた
作詞 夕木蚕
傾けたシャンパングラスに唇を押し当てて
寂しさを注ぎ込んでる
刺激的な泡のキスさえ切なく感じるほどに
心は切実なご様子

満ち足りて 揺らめいて 消えてゆく 愛は月のようで
また満月になる時を夢見て 闇夜へと消えてゆく

夜明けを遠ざけて あの人を遠ざける
臆病な心に 日差しは痛すぎて
妖しい 月光に耽られ


例えば愛に形があるとして掴み取れるのなら
愛の歌は一曲しか生まれない
無形のものに形を求め過ぎて
ここでは誰もが哲学者

確かに「ある」 でも「ない」 でも「感じる」 星の光のようだ
燃え尽きても光だけが美しく 悲しげにきらめいてる

とまどいは誰と 舐め合えば消えてくれる
押し殺した嫉妬 どなたに押し付けよう
金属の 荒野を行く

強がりよあのヒトのルージュと混じれ
夢が覚めないように喘ぐ子守唄を
月が消えた夜にはナイフさえ光らないから
悲しみの挽歌をつむげ  

戻りたい 帰りたい 抱き合いたい この気持ちは何だ
燃え尽きたはずの愛 その残り火が熱を誘い出してくる

夜明けは近づく あの人が近くなる
海の満ち引きのよう また連れ去られるのかな
かすんだ月が見てた・・・ 

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公開日 2009/03/05
ジャンル
カテゴリ 紊掩
コメント 都会的な詩を目指しました。失恋がテーマです。
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