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冬虫夏草
作詞 少年アリス
四隅に埃が集まるように
日常は悪夢の断片
何でもない言葉が幾重にも響く
ほうっと息を吐いた隙に
裏通りへと引き込まれ
心も体もばらされてしまう 今日も

ドライフラワーを花と呼ぶな、
父は言った

限りない日向で影踏みを
コガネムシの琥珀が見つかるまで
あの子に捧げたかった
あの子の頭のまわり 一杯に
蕗の葉の陰で片目を瞑る 宝石みたいに青い蛙
雨が降っていたんだ ―――何時から?
思えば ずっと降っていた 雨

肋骨に隙間風
本物を堪らなく美味しがる君
自分の番では皿を割る君
飢えた花瓶
造花では満足しない花瓶
そこから匂い立つ情景は
僕が噛み砕いてきた
何度も 何度も
噎せ返るほどの香りを堪えて

本当に素晴らしいものは
身体中を駆け巡り 
腹を突き破って 芽吹く
純白の両翼 
僕を糧に全うされる
それでも、 命を繋ぎ止めるもの
(器の上に横たえられる)

分かれ分かれにならないよう
結ばれた先で 低く軋んでいる

干上がった腕はドライフラワー
(最高級の証は肉汁)

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公開日 2017/03/02
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コメント 僕を糧に全うされる
それでも、 命を繋ぎ止めるもの
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