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ある男の物語。
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作詞 胡蝶乱 |
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あるところに、
一人の男が居た。
男は、
愛したことも、
愛されたこともなかった。
男は、欲望のままに生きた。
人を、何人も殺した。
人を殺す、
痛さを知らなかった。
怖さも知らなかった。
しかし、
ある日、
寂れた町で、
一人の少女を拾った。
少女は、
絶望に満ちた目で、
男を見つめた。
男は、
「きまぐれ」で、
少女を拾った。
少女は、
男が人を殺したことを知らなかった。
少女は、
男を愛した。
男も、
いつしか、
少女を愛するようになった。
男は、
初めて、
人を殺したことを
悔やんだ。
死んでいった人のことを思い、
苦しんだ。
男は、
少女に、
話した。
人を殺したことを。
ある日、
少女は、死んだ。
男が殺した人の恋人だった。
男をかばって、
少女は、死んだ。
男は、
死ぬより辛い罰を受けた。
男の魂は、
奈落のそこへ落ちた。
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