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アクアリウム
作詞 海潜たこ
<入館>
奇妙な魚。夜の水族館。
落ち着かない僕の気持ち。
「あれはなに?」「これはなに?」
訊ねたけれど、君はいない。

<回廊>
水の弾ける音がする。
色とりどりの水槽の中で、
憂鬱な僕の顔だけが、
浮き上がって消えた。

<回想>
そうだ。
確かに君が作ってくれた思い出だけが、
水に溶けずに僕を笑わせてる。

<視界>
不快な闇に閉ざされた。
深いな、海の底は。
「あれはなに?」「これはなに?」
不安で死んでしまう夢。

<仰視>
いつも、
水に還ることを切望しながら眺めた。
厚いガラスの向こうにあるグチャグチャの世界。

<現実>
また絶望の日々が続いていく。

<情景>
理科室みたいな雰囲気。
嫌いな幽霊になった気分。
ゆらゆらと、ゆらゆらと。
非常灯に照らされている。
アクアリウムの夜が過ぎたら、
僕は君のことを忘れていく。
さようなら、さようなら。
月も星もないプラネタリウム。

<退館>
リノリウムの床に響く。
世界の中心になった気分。
ゆらゆらと、ゆらゆらと。
注ぎ込まれた光は儚く、
アクアリウムの夜が過ぎたら、
君は魚になってしまう。
さようなら、さようなら。
また遊ぼうね。

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公開日 2003/12/02
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コメント 夜の水族館≒夜の病院≒夜の理科室みたいな感じでどうぞ。
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