|
|
|
体育祭ーー私の前夜祭ーー
|
作詞 銀太 |
|
人がごった煮状態の満員電車
脇に抱えたベニヤの重さが増してく
到着駅を知らせる車内アナウンスに、慌てて出口に向かう
人と人の間を縫うけど
頑固な石の乗客達は全く動いてくれない
駅員のホイッスルが聞こえる
間に合わない、頭の警報が鳴り響く
ドアが閉まる5秒前、4、3、2、1・・・
ガッという音と共に閉まりかけていた扉が開いた
早く降りろ、と言われ慌てて降りる
後ろからプシューと間抜けな音が響き、私を乗せていた重たい塊が動き出す
ベニヤ持ってあげるよ、そう言う彼は同じ大道具のメンバー
ふっと軽くなった右手と、きゅっと握られた左手
左手から熱も小さな鼓動も伝わってくる
私の前をずんずんと歩いていく
このベニヤ結構\重いね、彼が言う
そうだね、私が答える
他の奴らも持ってくるんだよな、彼がまた問う
そうだよ、また私も答える
いつもより沢山質問される、私もその度に答える
気のせいじゃないよね?
彼の耳が真っ赤なのは
|
|
|