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たねとぼく
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作詞 どなどな |
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種を一つ 空に向けて放り投げてみた
高く高く 飛んで点になって消えていった
そのままで 種はずっと落ちてこなかった
僕は空を 見つめたまま呆然と立ち尽くした
何が起こったか 鳥が食べたのか 風で飛ばされたのか
分からないけどこの地球の どこかにあることは確かだ
種を一つ 空に向けて放り投げてみた
目を凝らすと あの雲の隙間に種はいた
そんなとこで 芽を出し根を張り花を咲かせた
僕のことを 高い高い空から見下ろした
何が言いたい? 小さいねとでも? 弱弱しいとでも?
分からないけど 今確実に 種は優越感に浸っている
昨日までは 手の中で
握り締めてた 小さな種が
ふとした気まぐれで 空に投げられ大きくなった
僕が投げて あげたのに
種は僕を 見下すかのように
大きな花を 体張って自慢する
僕も一つ 空に放り投げてみようと
マンションの 屋上の柵を越えてみた
風と景色が 僕の隙を見て襲い掛かった
でも何より 心配してくれたのは―\―\
種だった
見下してた そんなわけじゃなかった
ただ僕より 大きくなれたのが嬉しくて
手の中で 握られなくなったのが嬉しくて
見下してた そんなわけじゃなかった
飛ぶのは止めよう 柵の中に入ろう 僕は後ろを向いた
その時だった 優しい風が 僕の背中を押したのは
落下しながら 見えたのは
種の確かな喜びの笑み
ちくしょう、騙された
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