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水死した人形
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作詞 月猫 |
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べとつく温もりを持った手が
一瞬滑っただけなのか
それとも故意に落としたのか
今はもう どうでもいいこと
潮の香りと浮遊感の先には
少し深すぎる青がうねっていて
案外優しい水は埋めていく
ドレスの布目も髪の隙間も
満たされて重みを増した身体は
深みへと引きずり込まれていく
空気の中では生きていて
海で溺れて死んだのか
もともと無機物だったのか
今はもう どうでもいいこと
今感じるのは黒に似た青色
それ以外何もなくても良いと知った
この身体は腐るのか錆びるのか
浮いてゆくのか沈んでゆくのか
海と自分の境界はどこなのか
ここには過去か未来があるのか
今はもう どうでもいいこと
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