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雀。
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作詞 ザクロ月 |
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一つの命が閉ざされてた。
その亡骸はまだ温かいままで。
原因といえば。
思い当たるのは透明な人間の発明。
向こうが見えるだけでただのもろい壁なのだけれど。
小さい命には大きすぎたのだろうか。
超えられないままに。
紅い血の涙を流して。
冷たい床に横たわる骸。
その情景を今まで何度見てきただろう。
せめて
土へ返してやろう。
冷たい床ではなく。
簡単に廃棄物扱いもされないように。
ごめんな。
俺はお前の名前も知らない。
お前を家族や友人の許へ返してやる術さえ知らないんだ。
ごめんな。
祈りの言葉も出ない。
安易な墓地。
そこに命あったものが埋まってる事も俺以外知らないような。
ちんけな場所。
土を見つけられず。
ごめんな。
俺はお前を自然に還すことすら出来るか危うい。
白い紙。
死に装束。
小さな花。
せめてもの手向け。
一すくいの水。
せめて渇いた喉を潤して。
許してくれとは言わない。
ただせめて安らかに…
4個目の俺の出会った小さな命。
そしてその亡骸。
精一杯。
その小さな茶色の羽根で天を駆けてくれ。
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