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ふたり劇
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作詞 たきゃ |
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恋愛物を作ろうか 二人のキャストには無難だね
そう言って君は笑った
どっちがどっちの役をする? 君とやるんだったら
どっちだって変わりは無いって僕も笑った
君任せにしてたばっかりに配役は僕は僕の役
つまらないけれど ありのままやれば良いだけ
君は君の役をちゃんとこなせば良いんだ
悲劇の役は僕が引き受けたよ
「もう、別れよう」と言う君の台詞が 観客を泣かせた
「嫌だ」と言った僕の台詞が 観客を黙らせた
僕は君を責めた 僕は僕の役は嫌だと
こんなみじめでかわいそうな役を僕にやらせるなって
君は僕に言った 私は私の役は嫌だと
振られた側の辛さが分かるのかよ 捨て吐いて 叫んだ
君の泣き顔の美しさ 僕がやりたかった 認めて貰いたかった
僕が君だったら 君が僕だったら
きっと僕から君に別れを告げていたんだと思う
僕が君だったら 君が僕だったら
なんでこんな哀しい台詞を言わなければと泣くだろう
僕が振る役だったら ちゃんと思いやれて振れただろうか?
君が振る役だったから …
僕は僕を責めた 幸せな役じゃないかと
苦しい思いをバネにして今を頑張れてるじゃないかと
君は僕に言った 私は私の役は嫌だと
その意味がようやくわかったよ
君が引き受けてくれた優しさがとても
嬉しくて 情けなくて 声にならない
君の涙が美しく流れたのは きっとそう
僕が辛く無いように無事終われた事を嬉しくて泣いたんだろう
僕の涙が汚く流れたのは そう
君が別れを悲しい振りをして告げたと勘違いしていたからだ
馬鹿野郎だ …
いつか君のように 本気で相手を思いやり
美しい涙を流せるようになれると良いな
いつか僕の役がそうなると良いな
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