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歌う
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作詞 夜爪 |
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死にたがりの幸福論者が溢れる街
薄らぼんやりと聳え立つ時計台の秒針に
切り刻まれた鼓動が群がる
黄昏た灯りのような肌色が覗く
真夜中に出航する幽霊船の正体は
少年達が夢見る本当の藻屑なんだ
小さな溜め息をかき集めて歌にする
手拍子と口笛で奏でるのは昨日じゃない
独りよがりの博愛主義者が笑う街
薄らぼんやりと消えていく無邪気な影に
掻き乱された体温が翔ける
燻った残り火のような吐息がする
水平線の向こうに見えた宝の地図は
少年達の生きることへの抵抗なんだ
どんな弱音もメロディーに変えていく
涙と嗚咽で掴み取るのは昨日じゃない
幽霊船も宝の地図も朝日が消し去る
少年達はまた街に従順さを求められる
それでも彼らが笑っていられるのは
歌うことを知っているから
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