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虹
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作詞 硝渡 |
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うつむき続けて 頭上に広がる世界を知らない
空を飛びたいという思いがあるのに
煌めいているあの光が妙に怖くって
黒い影ばかり追い求めていたんだ
……どうして…
華麗に舞える翼があるのに
あの青に飛び立てる力があるのに
羽ばたいてゆかないんだろう…
もっと高く、もっと高く
高みを望めばいいのに…
あの頼りない線の上で 何を思うんだろう…?
もしも翼があったなら 迷わずに飛んでゆくのに
この人ごみから抜け出すのに
限られた世界を作らないで
どこまでも遠く、果てへと飛び立つだろう
こんな願いがあるのに 此処にいるのは…
どうしてだろう?
「夜空見上げれば 星が見える」って知ったのはいつだっけ
あの「青」が「黒」に変わるって知ったのはいつ頃だっけ
うつむいてきた分だけ見えなかったものがある
うつむいた分だけ知れたこともある
…「上を向いて歩けることは
前に進める」ということ…
…「前に進んだら
何かが変わってる」こと…
…「進まなかったら
何も変わらない」こと…
知ってるのに…解ってるのに…
…立ちすくんでしまうのは どうしてなんだろう?
此処で見たあの橋が忘れられない
とてもきれいで輝いていた あの橋が忘れられない
せわしない時間を止めた 味気ない日常を変えた
この薄暗い社会に埋もれた街に 希望を架けてくれた橋
空が怖くないって教えてくれた橋
もう一度みたい
あの七色の橋の麓に行ってみたいのに
その麓に何かあると信じてるのに
此処で橋を見たいと願うよ
あの橋が「青」に自由を見い出してくれたのに
「此処という場所」に執着してしまう
夢見がちなばっかりに …新しい夢が持てない
「此処で」もう一度を願うから
「あの橋を見たい」という夢が難しくなる
新しく夢を見たいのに …古い夢にすがり付いて離れられない
自由を夢見てたのに 今じゃ鳥籠の中のようだ
叶えられる力があるのに …諦めてしまう
そんなつまないことをするのは
どうしてだろう?
橋が無ければ自分で架ければいいのに
あの輝きに霞をかける「人工物」を作りたくない
古い夢を捨てればいいのに
捨てられないのはどうしてだろう?
あの青を見上げなければ始まらないのに
見上げようとしない
探そうとしないと見つからないのに
探そうともしない
あの麓へと想いをはせるのに
足が言うことをきかない
動かなければ どんなに願い望んでも
夢で終わるだけなのに
遥か彼方まで広がるあの青に 全て見透かされている
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