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人間失格
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| 作詞 嘆きのピエロ |
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貴方に嫌いだといわれる筋合いはありません
名前も顔も知らないくせに
私のことを分かった様な口きかないでください
いちいち返事を求めないでください
貴方と私は付き合っているわけではありません
答えるのが面倒だと、何度言えば分かるのでしょう
いえ、言ったのは心の中でです
正面きってはいえません
それは私が偽善者だからです
ココでは誰だって違う自分になれるのに
それでも私は弱いままです
私は恥の多い生涯を送ってきました
会って話したことも無いくせに
返事が返されるのが当然だと
どうして思うのでしょうか
干渉されるのは大嫌いです
どうか関わらないでください
私は、人間が大嫌いです
努力のかいあって
自分は生きてゆく術を習得しました
嘘をつくことを知ったのは
中学生のときでした
以来ずっと愛想笑い
バレないようにと願いながら
嘘の仮面をつけてきました
それからは誰も疑いませんでした
私のことを「優しい子」だといいました
私は激しい羞恥と罪悪感を覚えました
けれど、そうしないと生きていけません
きっと私だけではないのでしょう
それでも私は仮面をつけたままです
そのうち私は居場所を探しました
仮面をつけることにはもう慣れました
きっと一生はずれないでしょう
そんな私の見つけた場所は
仮面舞踏会という名の嘘の世界でした
そこでは誰も信じられません
しかし、普段も信じていないのですから
大して変わりはありません
私は其処で居場所を見つけ
嘘と偽善で手に入れました
干渉してくるとは思いませんでした
ココでは誰だって嘘を付けるのに
信じる人がいるとは思いませんでした
同じ傷を背負った人がいる場所だと
そう信じていたのに、あっさり裏切られました
干渉されるのは大嫌いです
必要以上に踏み入らないでください
私は弱いのです、弱いのです
どうかそれ以上訊かないでください
『人間失格』といわれても仕方ありません
どうせ人間に愛着などありませんし
さして問題ないでしょう
私は、人間が大嫌いです
そんな私が恐れるものは
仮面を暴く、神の愛し子
純な輝きを失わず、仮面とは無縁な人間
どうか私を見ないでください
その目で私を見ないでください
自分はこれっぽっちも優しい人間ではありません
仮面をかぶった道化です
見破られるのがこわいのです
私の仮面を、ああ、外さないでください
私はきっと『人間失格』
それは、今でも変わりません。
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